こんにちは、歯科衛生士の唐住です。

最近コロナ感染者数がまた増えてきましたね。
ワクチンも本格的に始まりましたのでみなさんも体調にはお気をつけくださいね。

では本日は口腔がんについてお話ししていきたいと思います。

口腔がんとは歯茎や頬の内側にできるがんのことです。

初期の症状は舌や歯茎が腫れている、口内炎がなかなか治らない、硬いしこりがある、部分的に白くなっているなどがあります。テレビなどで聞いたことがあると思いますが、このがんに気付かず放っておくと最終的には臓器にまで転移する可能性があります。

どういったものがあるのかお話ししていきますね。

<前がん病変>

●紅板症

鮮紅色のビロード状、斑状の飛行性病変です。

舌・頬の粘膜、口蓋に発症することが多いです。

この疾患の約50%はがん化すると言われています。

(治療)周囲組織を含めた切除手術→切検生検で悪性の有無を調べる

唐住写真1


●白板症

擦っても容易に取れない斑状・板状の白い病変です。

頬の粘膜・舌・口腔底に発症します。

中高年の男性に多いです。原因の一つに喫煙があります。

(治療)細菌・病理組織検査を行う

唐住写真2


●扁平苔癬

口腔粘膜のほか、外陰部粘膜、食堂粘膜、皮膚にも発症します。

薬物や歯科金属アレルギー、ストレスなどが原因と考えられます。

白色の網状、びらん状、萎縮状に大別されます。

40歳以上の女性に多く、両側の頬の粘膜に見られることが多いです。

(治療)病理組織検査を行う。対症療法としてステロイド軟膏の塗布が行われる。歯科金属アレルギーが原因の場合は原因金属を除去する。

唐住写真3

<がん>

●悪性黒色腫

色素産生細胞(メラノサイト)ががん化したもので、早期に全身どこの臓器にも転移します。

皮膚によく発症し、口腔粘膜には全症例の約10%が発症します。

境界不明瞭な深みのある黒褐色病変として見られます。

(治療)外科療法、抗がん薬による化学療法、リンパ球などを使った免疫療法および放射線療法を行う。

唐住写真4 

それらがんを予防するためには、

①たばこ、お酒を控える

②バランス良い食生活を送る

③口腔内を清潔に保つ

④粘膜などへの持続的な刺激を避ける

以上の4つを守ることが大切です。

当院に通われている方は定期的な歯の治療・お口のケアをこれからも続けていきましょう。