皆さん、こんにちは!歯科衛生士の濱地です。

新年を迎え早くも2月に入りましたが、
本年も皆さんが健口であられますよう心よりお祈り申し上げます。

さて今日は歯科インプラントの歴史についてお話したいと思います。

インプラントの始まりは遡ること紀元3世紀に
古代ローマ時代の人骨の上顎に鉄製のインプラントが発見され、
後の7世紀のマヤ文明の遺跡では20歳代女性の下顎に貝でできた
インプラントなども発見されました。
特にこの貝でできたインプラント周囲には骨造成がエックス線検査で
確認できたことから長期にわたり機能し、
世界で最初に実用に耐えたインプラントと考えられています。

歯科インプラントが臨床に登場したのは1910年代に円筒型が開発され、
1930年代にはスクリュー型、1940年代にはらせん型など進化してきましたが、
どれも予後の良いものではありませんでした。

そして現在主流となっているチタン製の歯科インプラントの始まりは、
1952年、スウェーデンの学者であるペル・イングヴァール・ブローネマルク博士の
ある研究後に起こった偶然によるものでした。

濱地

博士は微細血流研究のため、ウサギの骨にチタン製の器具を埋め込んでいました。
研究終了後、骨からチタン製器具を取り出そうとした時、
なんと器具と骨がしっかりと結合していて取り出すことができなっかたのです!

この現象に気付いたブローネマルク博士は研究を始め、
骨とチタン製の結合状態をOsseointegration(オッセオインテグレーション)
と名付けました。
さらに研究を重ねるうちに、チタンは身体に対し有害な作用を及ぼしにくい事などもわかりました。

動物実験を経て、1962年人間に本格的にチタン製インプラントが使われ始め、
1965年にスクリュー型に改良、以降オッセオインテグレーションの概念に
基づいたインプラント治療は、失った歯を補うひとつの方法として歯科治療に取り入れられています。